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2004年05月18日

廃用身 written by 久坂部 羊

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廃用身とは・・・
医学専門用語。
病気などにより、機能が損なわれてしまった体の部分。
例えば、脳梗塞など脳障害により麻痺してしまったために、リハビリを繰り返しても機能が回復しない腕や足など。

デイケアーセンターを併設した老人病院の院長が綴る廃用身のための画期的な治療法のルポルタージュと、その解説。
ノンフィクションの形をとりながら、実はそれ自体がフィクションであり、それを理解するまでに少しの時間がかかる。
廃用身の治療方法、それは普通に考えたら全くもってとんでもない発想なのだが、院長のルポを読むうちに、「それもいいかも」と考え始めてしまうところが、そんじょそこらのホラーよりもよっぽど恐ろしい。

同時に、近い将来確実にやってくる高齢化社会の中で、多くの人たちが直面するであろう介護問題をも、鋭くえぐっている。

誰もが人の迷惑にならないように生きていきたい、と思っている。
でも、好むと好まざるとにかかわらず、体は確実に衰えていく。
そして、やがて、誰にも平等に死が訪れる。

人は生きてきたように死んでいく、とよく言われる。
自分が人生の先輩たちに対してしてきたように、次の世代から扱われるのだ。

人生半ば、折り返し点に立って、あと半分、どう生きようか、とあらためて思うのである。

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