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2004年07月26日

犬小屋

今日は粗大ゴミ回収の日。
自宅マンションを出て、近所の一戸建てのおうちの前を通ったとき、そこになんだかなじまない物を発見。

それは清掃局によって回収を了承されたシールが貼り付けられた犬小屋だった。

そういえばもう何ヶ月も、夜となく朝となく、吠える犬の声を聞いていた。
それは、決して荒々しく吠えるのではなく、悲しそうに、何かを訴えるように鳴く、いや、泣く声だった。

白い雑種の大型犬(私は犬は苦手なので詳しくは知らないけれど、多分)。確か長男が3歳くらいの頃に、まだ子犬だったその犬に公園で追いかけられたことがあったから、15歳くらいになるのだろうか。

思い返せば犬が苦手な私。お散歩中にそのリードを持つ子どもの手から離れて思い切り飛び掛られたこともあった。
前足をあげ、私の前から抱きついた(?)その犬は、裕に私の胸元まではあり、それはそれは怖かったことを覚えている。

その家の前を通るたびに、その門付近に犬はいて、私を見ていた。私に襲い掛かった犬はいつしかそんな元気もなくなったのか、ただ座って私を見上げるのだった。

そういえば、最近、泣き声も聞こえないな、と思い、そこに座っている姿も見えないな、と思い、もうおばあちゃんだから、おうちの中に入れてもらったのかな、と思っていた矢先の今朝、いつも門の中に置かれていた犬小屋を、門の外で発見したのだ。

私は犬は好きではない。それでも弱って行くペットを見守る飼い主さんの気持ちはわかるつもり。
犬嫌いでありながら、廃品回収に出された犬小屋を、まともには見られなかった。
そして、自分でかわいがって育てたわけでもないのに、いつしかいつもそこにいた白い犬を思い出し、密かに涙を拭いたのだ。

ペットを飼うということ、それは計り知れない喜びもあるけれど、押しつぶされそうな悲しみもある。
私は犬が嫌い、といいつつ、実は何よりもそれを恐れているのかもしれない。

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Posted by じゅの at 12:19│Comments(3)素直なきもち
この記事へのコメント
そうやって、色々と想い出してもらえることで、亡くなった命でも どこかで生きていくことは出来るんですね。
Posted by ほたる at 2004年07月27日 21:18
前に飼っていたリキが亡くなってもうすぐ2年になりますが犬小屋がそのままになっています。ゴミの日に出すには大きすぎて、解体して投棄してくるには、トラックを借りなくてはならないほど大きなものです。見ると思い出してしまうので見てみぬふりのこの2年間、じゅのさんのエントリーを読んで、ずっと避けて来た自分はただめんどくさいと言うだけでなく、逃げていたんだな〜って気づかされました。冬になる前に何とかしなくては・・・

犬が嫌いなじゅのさんが亡くなった犬と飼い主さんの気持ちを思いやれるのはすごいと思いました。もしかして、嫌いなのではなくて、怖いだけなのかも・・・とも思いました。
Posted by りむパパ at 2004年07月28日 23:15
みなさん、コメント、ありがとうございます。

>ほたるさん
通りすがりの私でさえ、そうやって脳裏に焼き付けているのですから、家族の方たちは尚更なんでしょうね。
家族の思い出に刻まれながら死んで行くペットたちは、幸せなんだろうなぁ・・・

>りむパパさん
犬小屋って、一代限りなんですか?
次にやってきたわんちゃんがそのまま引き継いでそこに住む、なんてことはないのかな?
その辺は私には経験がないので、よくわからないけれど、でも、考えてみたら辛くてできないのかな、そういうのって。
私もそのときになってみないと、わからないなぁ。

私、確かに犬嫌いです。なぜか。吠えられる率が非常に高いからです。
ついこの前もお散歩中の犬にいきなり吠えられました。だから怖いんです。
でも、この犬吠えないとわかっていれば多分大丈夫。わんちゃん自体はものすごくかわいいと思うので、写真は大好きなんです。ただ、吠える声が怖い。
なので、決して犬が憎いわけではないんですよ。
やっぱり同じ空気を吸って生きるものとして、幸せになって欲しいと思いますもの。
Posted by じゅの at 2004年08月01日 12:07
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犬小屋
    コメント(3)