海
外房線の終点であり、内房線の終点であり、外房線と内房線が出会うところであり。
それが安房鴨川(あわかもがわ)。
駅を降り、電車の窓からかすかに見えた海を目指して歩く。
駅からまっすぐの道を抜け、T字路にぶつかったとき、目の前に真っ青な海が広がる。
夏のオレンジ色に輝く海ではなく、ひっそりとした深いあおの海。
テトラポットにぶつかる海の水は、いったん白く砕け、波を殺し、浜に凪いだ波をよこす。
都会にいては決して見えないもの、まっすぐな水平線があんなにもくっきりと見える。
なにもなくていい。ただそれだけで。
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