ALWAYS=三丁目の夕日=

じゅの

2005年11月23日 06:49



舞台は昭和33年。東京。
青森からの集団就職列車、C62が鉄橋を渡るシーンから始まる。

車窓から見る東京の姿に、驚き、胸を膨らませる少年少女たちは、独特な「うえのぉ〜、うえのぉ〜」のアナウンスに迎えられて、北国からの玄関口、上野駅に降り立った。改札の上に渡された1本の針金にかかる列車の行き先、発車時刻、発車番線の書かれた札が、わくわくしながら北の列車たちを眺めたあの頃と同じだ。

昭和33年。
終戦から10年余りが経過し、高度経済成長の波が押し寄せ始めた頃。東京の下町、夕日町三丁目の商店街にも、その活気が溢れている。

大通りから一本中に入った商店街の路地には、昭和33年の姿が息づいている。スクリーンの中にさりげなく現れる時代の顔がある。それは「両切りの缶ピース」だったり、「力王たび」の広告看板だったり、電気屋さんの店頭に置かれた「Panasonic」の坊やだったり。

ストーリーはよくある人情物語。特にひねったところはなく、ごくシンプルなお話し。多分こうなるね、と先は読めているのに、素直に感動できるのは、心がそれだけシンプルな感動を欲しているからかも。

三丁目の路地を走りぬける白い犬を眺めながら、どこにでも野良犬がいたこと、それが自然だったことを、不思議な気持ちで思い出す。

三丁目の商店街から、建設中の東京タワーが見える。足の部分から建ち上がり始めた鉄塔は、時の流れと共に空に伸び、やがて完成した姿を見せる。東京タワーがあんなに高かったこと、あらためて思い出した。

ほころびかけたセーターにつぎを当てて子どもに着せる時代。決して裕福なわけではない。だけれど、人々は輝いていた。

↓「ALWAYS 三丁目の夕日」オフィシャルサイトです。興味のあるかたはどうぞ。

関連記事