房総半島の駅舎を訪ねる《その10》=九重(ここのえ)駅=

じゅの

2007年01月03日 10:53



内房線の中心駅、館山駅のお隣、九重(ここのえ)駅。
千葉県館山市に位置する。
1921(大正10)年開業。
徐々に半島の先に延伸して行った関係で、これまでの駅舎よりも若干歴史は浅い。
しかし、この駅はすごい。

駅舎を正面右側から見てみる。
赤い瓦葺の切り妻屋根に、正面から右側までをぐるりと囲む付庇、そして下見板張りの壁。



正面入口には、こんな駅名板が掲げられている。
近所の小学校の児童が卒業記念に製作したものだそうだ。



ホーム、安房鴨川方面寄りから館山方面を眺めてみる。
対向式2面2線の立派なホームは、とてもすっきりしている。



駅舎がある下り安房鴨川方面行きのホームから、反対側、館山方面行きのホームを見る。
屋根に長いベンチがあるだけの待合室がある。
屋根は葺き替えられ、ペンキは何度か塗り替えられているようだけれど、昔ながらの姿を見る。



そして、ベンチの背中には、ホーロー引きの青い駅名票。



ホームの端っこから見た景色がすっきりと見えるのは、ホームと駅舎を繋ぐ跨線橋がないから。
駅舎側のホームと反対側のホームとは、館山寄りにある踏み切りで結ばれている。



駅舎があるホームに停車中の安房鴨川行きのスカ色電車。
無骨だけれど柔和な丸顔が、古い木造駅舎のある風景に溶け込んでいる。

(2006年9月9日・内房線九重駅にて撮影)

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